こんにちは、なんにでもゲーミングと名付ける文化には嫌気がさしてるけど、一応光る以外に有用な機能があったりするとしっかり確認するタイプのざるたんです。よい。
デスクトップPCはディスプレイに繋がないとただの箱。映像がきれいに映るかどうかは、PC本体のスペックもさることながら、映し出される側のディスプレイもとっても大切。
実はしばらく前にモニターをSONYのINZONE M9に入れ替えたから、使用感とか含めてあれこれ言ってくことにする。
さっそくれっつごご。
SONY INZONE M9
死ぬほど表面てかってるし、ほこりが目立って嫌になるけど、こんな感じのディスプレイ。
ざっくり重要な仕様は↓
画面サイズ | 対角27インチ |
液晶パネル | IPS、ノングレア |
解像度 | 4K(3840*2160) |
リフレッシュレート | DisplayPort: 24 Hz – 144 Hz HDMI: 24 Hz – 120Hz |
応答速度 | 1ms(GtG) |
HDR | 〇 DisplayHDR600 |
映像入力端子 | DP1.4*1 HDMI2.1*2 USB-C(DP Alt)*1 |
内臓スピーカー | あり 2wステレオ |
高さ調節 | 可能 70mm |
VESA | 対応 VESA100 |
27インチ144HzのHDR対応4Kゲーミングモニター、ってことになる。
ざるたんが重視したポイント
27インチのモニターは想像以上にでっかいから、買い足しじゃなくて入れ替えになったんだけど、入れ替えにあたって重視したポイントがいくつかあるから、まずはそれをあれこれ言ってく。
1.4K解像度+HDR対応であること
入れ替え前のディスプレイはASUSのWQHDディスプレイ。解像度は2560*1440だったんだ。ゲームをやるうえで特に不満はなかったし、故障したわけじゃなかったんだけど、たまたまディスプレイが故障して引き取れるなら引き取りたい、って人が身近にいたからそのタイミングで入れ替えた。
4K解像度を選定条件にしたのは映像や画像を編集するときに便利なのが一番大きいかな。映像の仕上がりがFHDでも元素材の関係で作業は4Kだったりするんだよね。
あと、4Kは解像度にすると3840*2160で約830万画素ってことになる。今時のデジカメは少なくとも約2400万画素。ざるたんが使ってるSONY α7IVは約3300万画素。写真は横3:縦2の比率だからそのままの比で縮小できるわけではないんだけど、WQHDの約370万画素で細部を確認するよりも大分楽になるんだ。
あとはもちろん映像がきれいなゲームをよりきれいな状態でプレイしたい、って言うのが大きいよね。HDR対応も対応ゲームをプレイするなら対応してるディスプレイの方がきれいに表示できる。
映像・画像の輝度を見るのにもHDRはとても便利。これは検討時点では考えてなかったんだけど白飛び寸前の諧調がヒストグラムに頼らずに把握できるのが大きいんだよね。
しっかりと検証したわけじゃないけど、4K144HzHDRを活かすためには相応のグラボが必要になると思う。ざるたんは1世代前のRTX3080Tiを使ってるけど、ゲームによっては画質設定をある程度下げないと144FPS張り付きにはならないんだ。
HDRはOFFで遊んでるけど、CoDMW3では、DLSSを使っても4K環境で144FPSには張り付かない。画質最低まで落とせば張り付くには張り付く。わかってたことだけど、WQHDとは全然負荷が違う。まぁ、画素数370万→830万だから当然だよね。
2.HDMI2.1に対応していること
世の高リフレッシュレートモニターには意外とHDMI2.1に対応していない製品が多いんだ。近年、PCとの接続はDP(ディスプレイポート)を使用するのが一般的だからコストカット含めて軽視されてるのかな、って思う。
まぁ、今時144Hzが高リフレッシュレートと言うかどうかは微妙なラインなのかも知れないけど・・・。
HDMI2.1では4K/120Hzをサポートしてるんだ。そう、PS5にネイティブ対応してるんだよね。しかも、PS5ハードと同じSONY製だから安心。
ノートPCと繋いで使うこともあるかも知れないし2口あるのも安心。PS5以外のゲーム機を繋いでおいてもよいしね。まぁ、今時ノートはUSB-C(DP ALT)で繋ぐことも多いと思うけどね。
ちなみに、ざるたんはPCとキャプチャーボードとの物理的な配線を入れ替えるのが面倒だから、マトリクススイッチャーを使ってる。
↑のスイッチャーを噛ましてPS5と接続してるんだけど、連動機能についても問題なく使用できてるよ。
3.オーディオ出力
PCディスプレイの内臓スピーカーはどれもこれもしょっぼい。オーディオメーカーとしても一流のSONY製だって残念ながらしょっぼい。使うことはない。
ただ、オーディオ出力としてヘッドホンアウトがあることは欠かせなかった。まぁ、ほとんどのディスプレイには搭載されてるけどね。
これがあると、PC用スピーカーをアナログ接続できる。画像内でも使用してるJBLのQuantum DuoはUSB接続が可能なんだけど、PC⇔PS5で入力切替をしたときに連動してくれない。まぁ、当たり前。だってPS5とはつながってないから。
そんなときに、ディスプレイのオーディオ出力からアナログ接続してれば、入力切替に連動して音声も変わってくれる。便利。結局はアナログが勝つ。
4.高さ調節可能
これも今時のディスプレイはある程度のグレードなら対応してるものが多いんだけど、一応ね。
机の面からの高さが調節できないと、単純に不便だからね。
5.SONY製
ゲーミングモニター部門ではなんの実績もなかったSONY製。普通に考えたら実績のあるブランド品を選ぶべき。ここまでに上げた機能は他社性でも満たしてる製品は多いし、価格的にもそっちの方が安い。
では、なぜINZONE M9なのか。正直購入前レビューが不穏な雰囲気に包まれていたINZONE M9なのか。
そう、SONY製だから。
SONY信者はSONY製品をほぼ無条件に選ぶ。
いろいろ検討してるのは自分の選択を正当化するため。
もし、こけても次期作へと繋げる資金になってくれればそれでよい。
使ってて満足なポイント
ここからは、使ってて良いと思ったところなんかを列挙してく。
先に断っておくと、ざるたんは仕様通りに動いてることは当然と思うタイプなので、仕様通りに動いてる部分に関しては特に満足なポイントにならないんだ。だから、4Kが綺麗とか、144Hzでヌルサクとかは入らないよ。
1.HDR600
いままで使用してたディスプレイが対応してたのはHDR400対応のTUF GAMING(ASUS)のディスプレイ。正直、SDRから少し色味が変わったかな位の変化しかなくて、意味を感じてなかった。
INZONE M9はHDR600に対応してて、実際にその効果を味わってみるとHDR400とは全然違ったんだ。
暗い部屋でゲームやってると明るいところで目がやられる位には明るいし、暗いところも黒つぶれせずに表示される。仕様上はピーク輝度(標準)=600cd/m2ってなってるけど、実際はもっと明るい印象を受けるんだ。
HDRをONにするとディスプレイの細かい設定ができなくなるけど、色の出方とかには全く不満がないから問題ないと思ってる。
2.ディスプレイスタンドの形状
ディスプレイスタンドの形状は賛否あるけど、個人的にはとても良いと思ってる。
なぜなら、ディスプレイ下のスペースが有効活用できるからなんだ。
ディスプレイセンター部分は張り出してるけど、両サイドに隙間があるから、ここにいろいろ収納できる。大きなベースがついてるディスプレイではこうはいかないと思うんだ。
ディスプレイ高めに設定する人だったら、小型のスピーカー位入りそう。
まぁ、VESAで浮かせればディスプレイ下は100%自由になるんだけど、ざるたんのこたつゲーミング環境ではなかなかそうもいかなかったりする。
ただ、ざるたんの環境では問題ないんだけど、三脚構造のデメリットとして、サイド側の脚が長いことがあげられると思うんだ。PC台とか使ってて設置場所が狭い場合には、脚がそこに収まらない可能性を考えた方がいいかもしれない。
3.ベゼルが細い
マルチディスプレイ環境では、ディスプレイの境目にどうしても物理的に隙間ができるんだ。その隙間が小さければマウスのポインタをディスプレイ間で移動したときにポインタが飛んだ感が少ない。
ざるたんの場合はサブディスプレイはあくまでもサブで、両方にまたがって作業することはそんなにないんだけど、それでも隙間が小さいのは良い。感覚とのズレって地味だけどすごいストレスになるからね。
ただ、サイドベゼルの内側に映像が表示されない領域が実測6mm位あるから、電源OFF時の見た目よりも広がっちゃうのはある。
使ってていまいちなポイント
ここからはイマイチポイントを羅列してく。
仕様表に出てることは満たしてるから、仕様表に現れない部分についてのポイントになってくる。
1.入力切替遅延
PS5のメニュー画面は60FPS動作なんだ。一方対応ゲームは120Hzで動作する。そうなると、ゲームの起動時に映像信号の切り替えが起こる。
それが、INZONE M9では非常に長いんだ。計ったわけじゃないんだけど、だいたい5秒とかかかってるかな。まぁ、それなりに長いけどロード中だからそんなにストレス感じないんじゃない?って思うじゃない。
PCとPS5をどっちも繋いでると、いちいち本体背面の操作をしてOSDメニューを出して、入力を切り替えて、ってやるのが面倒だから入力自動切り替えをONにして使うわけなんだけど、これが切り替わっちゃうレベルで長いんだ。
酷い時にはPS5がディスプレイが接続されていないと錯覚してゲームの起動に失敗する。ディスプレイ側も入力信号がないと錯覚して電源が切れる。最悪の展開。
間にマトリクススイッチャーを挟んでるからなのかな、とか思って直結でも試したけど、変わらず。発売から結構立ってるけどファームウェアレベルでは改善できないのかな・・・。
不便。ストレス。
2.背面コントロールの位置
背面コントロールは1ボタン1スティック。下のボタンは電源スイッチだから、電源連動していれば基本的には使用しない。
上のスティックはセンターを押すとOSDが起動する。左右要素がちょっとでも入力されてると音量調整になる。センターをきれいに押すのがかなり難しい。
そもそも、普通は手探りでも操作しやすいように画面の端っこの方に配置すると思うんだよね。結構内側についてるから、ディスプレイを下げて使ってる人とかは、アクセスすること自体が困難。
一応、ユーティリティソフトのINZONE HUBからも設定はできるんだけど、PS5からは起動できないし、不便。
SONYを擁護するわけじゃないんだけど、一応この配置に意味はあって、OSDメニューが表示されたときのカーソル位置がスティックコントローラーの真正面に来る配置なんだよね、これ。画面表示の真裏がスティック。
ただ、そのOSDメニューを開くのにスティックのセンターを押す必要があるから、完全に本末転倒。
入力自動切り替えでディスプレイが自動的に入力信号をサーチしてる画面では、スティックの左右方向が入力切替になるんだけど、これも大変不便。 直感的に手が向かってくれないんだよね。
3.高さ調節機能
ざるたん自身は高さをコロコロ変えるような使い方はしてなくて、一回決めたら基本的に動かさないからそんなに不便を感じてるわけじゃないんだけど、それでも高さ調整機能が割と不便を感じたんだ。
スタンド形状が斜めの支柱にディスプレイを取り付けるタイプだから、想像はできてたんだけど、高さを調整すると、前後にディスプレイが移動しちゃうんだ。高さを上げれば奥に、下げれば手前に移動する。
高さを調整するたびにスタンドの置き位置も調整しないといけないのは不便。
画像だとちょっとわかりづらいかもしれないけど、スタンド事態にケーブルを通してまとめておく機構が備わってるんだ。真ん中に穴が開いてて、そこを通すとケーブルが暴れない。裏側には樹脂製のフックをひっかけるパーツがあって、すっきりケーブルをまとめられるから、一見便利。
一見便利なんだけど、実際はかなり不便。
DP1.4対応のケーブルは基本的に結構な太さがある。バラしたわけじゃないから、ケーブルの内部構造までは不明だけど、端子の接点数が多い=内部のケーブル数が多い、だから太くて硬いのは仕方ない。
これをスタンドに通すと、ディスプレイの高さ調整機構と干渉してディスプレイが下げきれないんだ。
使い方によると思うんだけど、ざるたんはINZONE M9にDP1.4とHDMI2本を常時繋いでる。お察しの通り、この状態ではすべてのケーブルを通すことはできない。
なので、最初からあきらめてDPケーブルと電源ケーブルだけを通して使ってたんだ。そしたら、DPケーブルの反発力に樹脂製フックが負けてペキっといったよね。購入初日の事件だよね。
そこからはあきらめて、DP+電源+HDMI1本を穴に通すだけ通して使ってる。もう一本は通さずにスタンドに巻き付けて使ってる。
4.価格
他社製の倍、とまではいかないけど、10万の大台付近の価格なんじゃないかな。半額で手に入る4K144Hzはあると思う。
まぁ、信者には大して関係ないことだったりするんだけど、オンリーワンじゃないんだから、少しは・・・、って思う。
それにしてもとぅーまっちえくすぺんしぶ。
総評
27インチの4K144Hz(HDMIは120Hz)ディスプレイとして、画質面ではかなり優秀な部類にはいるんじゃないかな、と思う。なにより、画像・映像編集に使う際の利便性はかなり高いんだ。
ゲームやるうえでの評価も基本的には優れたディスプレイ、って思う。HDR600は十分に明るい部屋でプレイしないと目をやられるけど、オープンワールドゲームの日向と日陰の描写とかすごく素敵。
操作面ではやっぱり不便さを感じる。特に入力信号が切り替わるとすぐには捕まえられない部分は可能であればファームウェアで改善してほしいと思う。ただ、発売から結構経ってるから対応される可能性は低いかな、と。
まぁ、そんなに頻繁に切り替えるものじゃないから、我慢できる範囲なんだけど、タイミング悪くPCが不調になったりしてたからいろいろチェック中とか、PS5使用時の切替が多かったりで印象に残っちゃってるんだ。
総じて、VESAで吊ってゲーミングPC1台だけと繋いで使用する用途であれば、とってもおすすめなディスプレイ。複数のデバイスを自動入力切替で切り替えながら使用する用途では不便を感じる。って感じかな。
不便は感じるけど「きれいな画面でゲームをプレイする」っていう命題は高いレベルで満足させてくれるディスプレイだし、後悔はしていないんだ。
最後に
今回はSONYのゲーミングモニター=INZONE M9についてあれこれ言ってく記事だったんだ。
SONYはビジュアル部門ではBRAVIAがあるし、オーディオ部門ではモニターヘッドホンのHDR-CD900STがある。デジタル映像・画像部門にもαシリーズカメラとか、業務用映像カメラがある。って感じで、会社として高品位なデバイスでは実績があるんだ。
ただ、ゲーミングデバイスに求められる品質については、まだこれから、って感じなのかな、って印象。INZONEのヘッドホンも視聴した感じでは音はいいけど、装着感とか長時間使用には厳しいかな、って感じだった。
第二世代とかがリリースされたら、問題点も改善されてたりしそうだし、今後に期待って感じかな。
ただ、映りだけは本物、って思う。
そんな感じ。