ゲーミングと銘打てばなんでも高値で売れるの法則。釈然としない。
キーボードとかマウスは門外漢だけど、ヘッドホンとかヘッドホンアンプ、マイクとかに関しては意外と詳しいざるたんなわけですが、今回の記事ではそれらのゲーミング用機器と業務用機器を比べてみます。
比べるとは言っても用途が違いすぎるのでそんなに確実な比較ではなくて、もっと全然緩いやつです。いや、初めは詳細に比べて明確に優劣をつけていこうと思っていたのですが、ある理由によりちゃんとした比較ができないのです。なんてことだ。
まぁ、企画倒れも悲しいので続けていきます。そして、ここからは完全に主観で書いていきます。自分の聴覚を信じてます。ある理由についても後ほど説明します。
今回はヘッドホンとかヘッドセットを比べてみるよ。それでは行ってみよう。
比べる前に
ところで、ゲームに使うヘッドホンとかヘッドセットとかボイスチャット用のマイクが20,000円って考えたら高いと感じるかな?10,000円だったら?
これは人や経済状況によって変わってくるから一概には言えないと思うけど、ゲーミングヘッドセットで20,000円って言ったら結構な高級機だし、ボイスチャット用とか配信用の単一指向性のサイドアドレス型コンデンサマイクが40,000円って言ったら超ハイエンドになると思うんだ。
参考までに、レコーディング用のサイドアドレス型コンデンサマイクにNeumann(ノイマン)って会社のU87ってマイクがあるんだけど、これが大体一本300,000円以上はする代物なんだよね。別にハイエンドじゃないし、ごくごく一般的なレコーディング用のマイク。声を録るときにすごくよく使うどこのスタジオにでも置いてあるやつ。
個人的にはゲーム用でこんな値段のマイクなんて聞いたことがないし、趣味で使うゲーム用マイクとしては高すぎると思うのですよ。でもゲーミングメーカーサイトのマイク製品のページを見るとあたかもレコーディンググレードの高級マイクであるような文言が書かれているんだよね。いや、本当にそうなのかも知れないんだけれども。
使う目的が違うから高音質の基準が違うのはわかるんだけど、レコーディンググレードを知らない人には区別がつかないところがフェアじゃないと思うんだ。音で仕事してる人なら声より前の息でわかるレベル。
業務用機器であれば、仕様書にどういった特性のマイクやヘッドホンなのかを読み取ることが出来るグラフ(周波数特性グラフ)とかが付いているのでそこから読み取れるのだけど、ゲーミングデバイスにはほとんどそれがついてないんだよね。つまり、ゲーミングメーカーは根拠もなく高品質・高音質だと言いたい放題。そんな値段のもので高品質なレコーディングが出来るなら儲かって仕方ないよ。
これが冒頭に言ってたちゃんとした比較が出来ない最大の理由。
そして、これは個人的な推測なんだけど、いままでマウスとかキーボードとか作ってたメーカーにヘッドホンやマイク、USBヘッドホンアンプを作るノウハウなんて無いと思っているのです。つまり社外に制作を依頼しているOEM生産(Original Equipment Manufacturer)なんじゃないかと思ってます。
簡単に言うと、うちのブランドでヘッドホンとかマイクをリリースしたいから中身を作ってくれ、と音響メーカーに頼んで作ってもらったのを売ってるのではないかと。企業によっては中小規模の音響メーカーを傘下に入れて一部門として製作してるところもあるかも。
そう考えると、元のメーカー品と比べて割高になったり、同価格帯なら質が低くなったりしそうなものです。つまり、コスパがめちゃくちゃ悪いんじゃないかと思うのです。
VC用のヘッドセットと(人様の)生放送用のマイクとかを選びに行ったときに、店頭展示品をいろいろ聴き比べてみたのです。LogicoolとかRazerとかKingstonあたりを中心に視聴してきました。その結果で思ったことを書いていくのです。主観100%です。
ヘッドホン・ヘッドセット
ゲーム用のヘッドホンとかヘッドセットを選んでいるときに気になったことがあるんです。
7.1chサラウンドヘッドホン?なにそれ?って。
サラウンドっていうのは、本来複数のスピーカーを受音点に向けて設置して、それぞれの音量差や発音タイミングの差で定位をコントロールする技術で、5.1chならスピーカー5発とウーハー1発、7.1chならスピーカー7発とウーハー1発が必要になるのです。
ヘッドホンの中にいっぱいユニットが入っているのかな、と思いましたが、左右に1発ずつしか入っていないのです。
は?
って思いました。原理としてあり得ないからです。よって市販されている7.1chサラウンドヘッドホンはすべて誇大広告です。ちゃんと「7.1ch疑似サラウンドヘッドホン」というべきです。
疑似サラウンドをヘッドホンで実現するためには、まず音声ソース(ゲームとか)自体が7.1chサラウンドに対応している必要があるのだよね。その上でヘッドホンアンプにも7.1ch→ステレオのダウンミックス機能がある必要があるんだ。前方からの音は通常のステレオ、真横からの音は位相を弄って、後方からの音は音量を下げて発音を遅らせて位相も弄って、EQで高域を削って、とかいう処理がなされていれば疑似的にサラウンド効果を得られるかも知れないんだけど、それらのエンコード・デコードの規格が定められていない現状意図した音になる可能性は低いと思ってる。
実際に7.1chを売りにしているUSBヘッドホンを聴いてみたんだけど通常のステレオではしょぼしょぼヘッドホンでした。対応してるソフトがあればまた違ってくるのかも知れないけど、ゲームとかでも公に対応を謳ってないのでよくわかりません。そんな中、ASUS製でドライバー(スピーカー)が8つ入ったヘッドホンを発見たんだ。でもだからってサラウンドってわけではではないのだよね。あと、すっげえ値段してました。
さて、気を取り直して各社ヘッドホンを聴いていった感想ですが、ゲーミングメーカー製は音質的には全くダメです。FPSで足音が聞こえることが最優先、という風潮が強いためか低音と高音が出っ張ったドンシャリ傾向が強く、抜群の定位感を謳ってるわりには位相も悪く、業務用モニタリングヘッドホンには遠く及ばないって印象。一万円以上するヘッドホンでも3000円クラスのリスニングヘッドホンよりもしょぼしょぼです。帯域的には上も下も狭くてとても窮屈な音像に聞こえる。ダメです。特にUSB接続のものがダメでした。なにがダメって、USBDACが(も)ダメなんだと思います。
ヘッドセットのマイク音質については、使用目的を考えると及第点、と言ったところでしょうか。相手にしゃべってる内容が伝わればよいからね。必要十分。
ヘッドセットコーナーには音響メーカー製のゲーミングヘッドセットもありました。SENNHEISER、Audio-technicaを聴いたのですが、これらは値段相応のサウンドクオリティでした。抜群に高音質でもなく。かといってしょぼしょぼでもない。開放型のちょっといいリスニングヘッドホンって感じの音質でした。選ぶならこの2社が間違いないと思う。
実際にAudio-technicaのATH-PDG1aを使用してるんだけど、装着感もよく、ゲーム用としては不満なく使用できてるなぁ。あと、イヤーパッドなど各パーツごとに購入できるメンテナンス性の良さもグッドポイント。日本のメーカーとして頑張って欲しい。回転寿司部門も絶好調。他にはPS4/5限定ではありますがSONY製も悪くなかったよう。
SENNHEISERのGSP500も使用していますが、これも音質面はとても素直で聞きやすいです。ただ、装着感はいまいちと言ったところ。高級機なんだから頑張って欲しかった。
長時間装着していて疲れやすいのと、すり減らしたくないのでゲームには使っていないのですが、SHUREのインナーイヤホンSE425は最高にゲーム向きだと思いました。FPSへっぽこなざるたんですが、足音の方向が最もわかりやすかったのがこのイヤホン。まぁ、先に気付いて先に撃っても撃ち負けるんだけどね。
大体音響メーカー製の15,000円クラスのものには外れがなかったです。ただ、この価格で業務用ヘッドホンを考えると、定位最強のSONY MDR-CD900STっていうヘッドホンが立ちはだかります。密閉型で装着感はお世辞にも良いとは言えませんが、レコーディングのリファレンスになるだけあって音質は良いです。
ゲームに使う人はいないと思うけど試しにやってみたら、とっても疲れた。理由は音像がくっきりしすぎてるのと、装着感的にリラックスできないから。あと、仕事の感じになっちゃうてのも大きいかも。
ヘッドホンの選び方
ではいろいろ聴いてきたざるたん的ヘッドホンのオススメする選び方はパターン別にこんな感じです。
まず、FPSとかで足音聴くことに全力を注ぐガチゲーマーの皆様にはインナーイヤータイプのイヤホンがおすすめです。ドライバの口径が小さいために応答速度が速く定位感がしっかりと出てきます。周囲の音が入って来ないのもプラスに働くのではないかと。VCは別にマイクを用意しようそうしよう。
次にRPGとかを中心にゆるゆるとやりたいタイプのプレイヤーには、開放型のリスニングヘッドホンがおすすめです。ゲーミングと銘打ってる製品よりも確実に高音質でBGMもちゃんとした音で楽しめます。VCも使うならオーディオメーカー製のヘッドセットを選ぶのがよいかと。
動画配信とか、演奏動画を録ったりするタイプの人には、音響用のモニタリングヘッドホンかインナーイヤータイプのイヤホンがおすすめです。音質面もそうですが、マイクにかぶり込む音が抑えられるので、視聴者の方にきれいな音でお届けできます。
光ものが好きな方は、どうぞゲーミングヘッドセットのピッカンピッカン光るものをお使いください。ただ、ざるたんみたいな音で仕事してる人に音質について偉そうに語るのは禁止します。
とか言っても結局は慣れだと思うので好きなの使えばよいよね。
最後に
好き放題書き散らしてみたけど、メーカーも好き放題言い散らしてるからどっこいかな。
ちなみに人間の聞こえる周波数は20Hz~20,000Hzなんだ。数字が大きい方が音が高い。この間を同じくらいの音量で再生できるものが工業製品としては質が高いといえるわけですよ。後は工業製品には仕様書というものがあって、それがどんなものかを表示するのですが、ゲーミングヘッドホンとかヘッドセットで詳細に公開してる製品は少ない。
参考までに宇宙に行きそうな大人気ゲーミングメーカー製のヘッドセットの仕様には、マイク部分の動作原理や感度(入力レベル的なの)、周波数特性が記載されてない。ヘッドホン部分の出力音圧レベルや最大入力についても記載がない。普通に考えたら異常だと思うんだけどゲーミングって書いてあったら売れちゃうんだよね。同社のアンプと合わせて試聴した感じはとても好みではなかったよ。
根本的にいい音と足音が聞こえるっていうのは全く別問題で、要素が少ないほど、あるかないかは判断しやすいっていうのは一理あると思うし。悪はゲーミングデバイスが高音質を謳って販売してることなんだよね。位相が悪くて作為的にドンシャリを作っているものは高音質ではない、っていうのがざるたんの意見なのですよ。おーてくさいこう。
まぁ、そんな感じ。
追伸。
まだ画像素材を十分に作ってないので、文章ばっかりの記事になってしまって読みづらいのだけど今後編集で追加とかしていく(かも知れない)のでご容赦くださいね。